【種から受け継ぎ四代目、農家として自然な在り方で未来へ】


ーにんにく農家ー 兵庫県加西市

北本ファーム 代表取締役 北本奇世司さん

ーあゆみー

兵庫県加西市で特産品である在来種ニンニク”ハリマ王”を栽培している北本さん。

なんと、北本さんで四代目だという。

なにがすごいって、曾祖父の代から栽培され、戦争のはじまりと共に一度は竹藪へと放たれたそのニンニクを、二代目である祖父が竹藪から見つけ出し受け継ぎ、三代目である父が栽培をする中で良いものを選別し自家採種を重ね、30年もの歳月をかけ、今のハリマ王ともいえる姿・形・大きさを揃えていったそうだ。

つまり、四代目である北本さんが育てているこのニンニクは、いつかひぃおじいちゃんが育てていたあのニンニクの子孫達なのだ。

そして今、北本さんは100年以上栽培を続けている圃場を含め1haのニンニクを栽培し、会社を立ち上げ、加西からハリマ王ニンニクを世に広げていくため日々奮闘している。

ーこだわりー

北本さんの出来上がったニンニクをもらった時、まずびっくりしたのがニンニクの茎の長さ。

通常であれば、茎は収穫時に機械で一斉に切られ、スーパーでよくみる、あのまるっこく、コロンとしたニンニクとして出来上がるのだが、北本さんのニンニクには長い長い茎が付いている。

天日で干すこと1ヶ月。

それだけでも贅沢な工程なのに、さらにニンニクの全てを出しきるため、手作業で収穫し、茎を長く残すことで、茎に含まれる栄養もうまみもニンニクに凝縮させている。

「あの形は努力の結晶なんですよ~!」とニヤリ、ニンニク界のキングとも言える、少量でも芳醇な香りとパンチの効いた風味はこうした作業の中から生まれている。人の手で、一つ一つを丁寧に、安心安全はもちろんのこと、「食べて元気になるニンニクをつくりたい」と北本さんは思う。

ーかだいー

農薬や化学肥料を使わない特別栽培にこだわり、手作業ならではの工程を大切にしているため、単に面積を拡大し、大量生産をしていくことは厳しい。また、ハリマ王は既に承知の通り在来種のため、B級品が出やすいというデメリットがある。

ゆえに、中身がどれほど美味しくてもニンニクの見た目としての”秀品”を数多く出すのは難しいといった課題があった。

さらに販売面においては、先代から飲食店への販路がメインであったが、コロナ禍の影響もあり、新しく販路を開拓していく必要があった。

一方で、加工品の開発にも力を入れていたため、すべてをひっくるめて、

「ハリマ王がもつ本来の良さをちゃんと分かってくれる人と出会えたら」

北本さんからのファントゥへの一番重要なオーダーだ。

ー北本さん×ファントゥー

ー取り組み①

ファントゥ:大手飲食チェーン店への商談にて、葉ニンニク→芽ニンニク→ニンニクへとメニュー展開

北本さん:期間限定であるニンニクに繋げていくことができた一方、葉ニンニクの出荷量は2年で20倍に。

ー取り組み②

ファントゥ:コープ系列への販売開始。

北本さん:一般的家庭向けの販路が拡大、売上UP、主力になりつつある。

ー取り組み③

ファントゥ:百貨店へニンニク加工品の提案、取り扱い開始

北本さん:加工品の販路拡大

★その他 北本さんからいただいたお声

・出荷先、量をじっくり話し合うことで、作付け計画がたてやすくなった

・冷凍などサンプリングをしてくれる

・物流のコストのことを相談し、対応してくれた

・なかなか大きな取引先と繋がることが出来ないのでよかった。

ーこれからー

「安心安全はもちろんのこと、もう少し機械化できるところはしていく」

「作った分は必ず売り切る。栽培においてはグループ化をしていきたい」

「そして、自信をもって加西代表の特産品にしていきたい。【兵庫のニンニクはハリマ王!】と。」

放棄される畑を生かし、農業を続けることで地域に貢献すると同時に、自分たちが生活していける基盤としてやる必要がある。

いつか後継者にとっても【儲ける農業】にするため、こだわるところはとことんこだわり、伝統を絶やすことなく、自然を守り収益をあげていきたい。

北本さんの熱意は未来に向かって燃えていた。

北本ファーム 公式ホームページ

https://www.kitamotofarm.com/