農産物の販路開拓 複数の販路を持とう!


自分たちが作った農産物の販路 皆さんの販路は何カ所ありますか? 代表的な販路を挙げてみると ①JA ②直売所へ持ち込む ③自社で直売 ④飲食店 ⑤中小規模のスーパーマーケット ⑥大規模スーパーマーケット ⑦自社サイトでの販売 ⑧産直アプリでの販売 個人規模で生産されている場合だと ①と②あたりが多いのではないでしょうか? 果物の場合だと、①、②、③のケースもありますよね 最近の傾向だと⑧の産直アプリを利用するケースも増えてきました 今日のテーマである 「農産物の販路開拓は複数の販路を持とう!」ですが、 なぜ、複数販路を持つべきなのでしょうか? 結論から申し上げますと 様々な要因からのリスクヘッジの為です 具体的にはどんな農産物の取引にはどんなリスクが発生するのでしょうか? 私達は兵庫県の伝統野菜の一つである岩津ねぎを生産しています 主な販路は飲食店、中小規模のスーパーマーケット、直売所への持ち込み、JAです しかし、新型コロナウイルス感染が確認された2020年のシーズンは お取引先の飲食店の多くが集客の減少や時短営業などにより 発注量の大幅減少や発注自体がストップする状況で 飲食店販路での売上は大きく下がってしまいました 同じように飲食店向けに出荷している生産者は 発注が減ってしまったのでJAや直売所への出荷へシフトしますが 観光バスツアーの減少により直売所でも売れ残る状態です 結果としてJAに出荷が集中するので 在庫のダブつきにより岩津ねぎの相場が下がってしまいます 私達は中小規模のスーパーマーケットとのお取引きが多かったこともあり 他販路での売上減少を最小限に食い止めることができました というのも新型コロナウイルスの影響で飲食店から自宅での食事にシフトしたこともあり スーパーマーケットからの発注が飲食店でのマイナスを上回るほどになりました このような事例からも 農産物の販路拡大においては 複数の販路を持つことが必要だと分かります 私達は飲食店や中小規模スーパーマーケット等の 様々な販路を多く切り開いてきました 皆様が大事に作ってきた農産物を より多くの消費者の方にお届けする販路をして ご利用頂くことも大歓迎です 農作物の病害虫対策は 私達にとって終わることなき永遠の課題です 自然界にはたくさんの植物があるにもかかわらず どうして農作物には病害虫が発生するんでしょうか? 結論からお話すると 農作物は病害虫に弱いんです

なぜ農作物は病害虫に弱いのか

草むらと圃場の大きな違いはなんだと思いますか? それは草むらには様々な動植物がいますが 圃場には同一種類の植物と昆虫・微生物に偏っていますよね 圃場は自然界と比べてバランスが悪いとも言えます また農産物は品種改良により美味しく食べやすく進化してきました これは元々農作物が持っていた苦味・渋味・辛味を抑えているとも言えます 苦味・渋味・辛味は植物本来の自己防衛の為に つまりは害虫に食べられないようにするために持ち合わせていた防具なんです その防具を失ってしまえば害虫の格好の餌食ですよね さらに農作物は圃場の中で様々な養分を吸収して育ちます その圃場には様々な肥料養分が投入されますよね 農作物は自然界の物よりも栄養価が高くなります それは害虫にとっても美味しいごちそうなんですね これらの理由により農作物が病害虫に弱いことが伺えます では、病害虫はなぜ発生するのでしょう?

病害虫が発生する理由は

露地栽培において病害虫を絶対に発生させない! なんてことが断言できたらいいですよね 結論としてはほぼ不可能だと思ってください でも、下記のポイントを理解しておけば 病害虫の発生をできる限り抑えることはできます 病害虫が発生する要素は以下の3つです

1.主因:圃場にいる病原菌・害虫の存在

2.素因:作物の状態や性質

3.誘因:病害虫にとって快適な環境

これら3つの要素が大きく重なり合ったときに病害虫が大量に発生します しかし、これらの要素の1つでも大きくならないように対策できれば 病害虫の大量発生を防ぐことができるんですね 今回は病害虫発生の概要についてお伝えしました 次回は病害虫発生の事例についてお話ししようと思います