人農地プランって何?
人農地プランという言葉はご存知でしょうか?
数年前から「人農地プラン」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
農業に関わる補助金や助成金の要件を見ていると
よく「実質化された人農地プラン」というフレーズを目にすることがあります
人農地プランとは?
農業者の高齢化等により農業の担い手不足が心配される中で 地元地域や集落での話し合いにより これから5年後、そして10年後までに 地域内の農業におけるまとめ役的な役割を果たすことが見込まれる農業者(中心経営体)や 自分たちの地域のこれからの農業の在り方を明確にするプランを立てようというものです人農地プランは何のために?
国では農業の担い手の高齢化や後継者不足の問題や それにともなう耕作放棄地の増加といった「人と農地の問題」を解決して 将来も持続可能な力強い農業に発展させていく必要があると考えています そのためには自分たちの地域や集落で話し合いの場を設けて 自分たちの集落が抱えている「人と農地の問題」を解決するために 未来の設計図である「人農地プラン」を作成しようというものです人農地プランではどんなことを話し合うの?
人農地プランを計画するためには 地域や集落で以下のことを話し合います今後の中心となる経営体(個人、法人、集落営農)はどこか
人農地プランのまとめ役を誰にするのか決めていきましょう まとめ役のことを中心経営体と呼びますが 中心経営体が勝手に方針を決めるのではなく 地域や集落で話し合いして決めていきましょう地域の担い手は十分確保されているか
5年後、10年後を考えたときに 自分たちの地域や集落には後継者がいますか? 場合によっては新規就農者を受け入れる必要もありますよね?将来の農地利用のあり方
それぞれの農業者の農地が点在していると どうしても作業効率が下がりますよね 圃場から圃場へ移動するだけでも結構な負担です 地域や集落で話し合いにより 点在している農地を集約することで お互いに利便性を高めていこうというものです 農地の集約は自分たちが活用する場面以外にも 農地を貸し出す場合にも有効になります農地中間管理機構の活用方針
地域や集落の農業者だけで農地を維持していくことが難しい場合は 農地中間管理機構を活用することができます 従来であれば貸し手と借り手でそれぞれ交渉が必要で まとまった農地を借りたい農業法人等にとっては大きな負担でした 人農地プランにより農地中間管理機構を活用することで 貸し手と借り手の双方の負担が軽減されます近い将来の農地の出し手の状況(いつ頃、どのくらい出す意向か)
人農地プランでは農地を耕作放棄地にしないためにも 可能な限り集約して有効活用する目的があります 将来的に高齢等により農業をリタイアする農業者がいる場合は 農地をいつ頃、どのくらい貸し出すのかを決めていきましょう中心となる経営体とそれ以外の農業者(兼業農家、自給的農家)の役割分担を踏まえた地域農業のあり方(生産品目、経営の複合化、6次産業化)
人農地プランでは専業農家以外の農業者とも話し合いを進めていきます 専業農家以外の農業者とは兼業農家や自分の家で食べる分だけ生産している時給的農家のことです 兼業農家はともかくとして自給的農家では農地の効率化といっても なかなかイメージが難しいのでしょうか? また、地域や集落で農業として強い基盤を作っていく為には 先ずは収入を安定化させる必要がありますよね そのためにはどのような品目の農作物を作っていくのか そして6次産業化等の取り組みによって 収入源を増やしていく経営の複合化等についても話し合っていきましょう人農地プランによるメリット
人農地プランでは地域や集落における農業の今後について話し合いを行い 5年後、10年後に向けたプランを立てて実行していきます この取り組みによって- 農地を地域や集落単位で管理しやすくなる
- 農地を有効活用しやすくなる
- 耕作放棄地を減らすことにつながる
- 地域や集落の農業の将来を一緒に考えることができる